家主日記

307号室:「陶芸家 上野剛児さん」のご紹介

2019.03.31お取扱い作家

On apartments.(オンアパートメント)の仮想アパート307号室に入居されました陶芸作家である上野剛児(うえのつよし)さんのご紹介です。

上野さんとの出会いは、淡いピンクの景色をもつ茶托と茶杯に家主が一目ぼれしたのが始まりでした。


▲上野さんが作陶するのは、香川県東かがわ市。徳島県でお育ちになり、会社にお勤めの頃は埼玉県にもお住まいだったそうですが、田舎が好きで四国に戻られたという。
photo by Tsuyoshi Ueno

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▲上野さんは南蛮手といわれる焼締めのうつわを中心に焼かれています。高温で焼き上げ、炎と戦う力強さとそれでいて繊細なフォルムが印象的です。
photo by Tsuyoshi Ueno

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▲ご自身で作られたという窯。とっても大きな窯場ですね。圧倒的にプリミティブな焼成方法ですが、圧倒的に美しい自然釉を有するうつわを作っておられます。
photo by Tsuyoshi Ueno

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▲薪を割り、窯に薪をくべて炎と向き合い、完成まで長い時間を掛けて作品を生み出します。大きな大きな窯の中にたくさんの作品を詰めて炎と戦っても、ときに展示会に出したいと思うものが数点しかないこともあるとのこと。
photo by Tsuyoshi Ueno

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▲またうつわ作りにおいて炎と対峙することはもちろん重要ですが、うつわの「形」も大切と上野さんは言います。制作に必要なろくろは、今は動力のある電動ろくろが主流ですが、上野さんは蹴ろくろを使っているそうです。ここから、上野さんの繊細な形が生まれて行くのですね。
photo by Tsuyoshi Ueno

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▲電気窯での仕上がりとは違う薪窯での焼成は、自然釉が降り注ぐダイナミックさと上野さんが作り出す繊細なかたち。伸びやかに作られたうつわは、生活に添い、家族の一員になっていく。
photo by On apartments.

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▲こちらの淡いピンクのうつわは、他の作品より一回多く焼成する必要があるのだという。大きな薪窯をコントロールするわけですから、なかなか何度もたくさん出来上がるうつわではありません。丁寧に丁寧に作られた器は食卓にさりげなく寄り添います。
photo by On apartments.

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毎日手に取ってもらえるような、

そんな強く優しい器が作りたい。

笑い喜び、時にはケンカをした日だって、

大切な家族のようにいつもそばに置いてもらえれば、

私にとってこれ程嬉しい事はありません。

             上野 剛児


photo by Tsuyoshi Ueno

【profile】上野 剛児
1969年岡山県に生まれる。
自動車メーカーにてデザイン室勤務。退職し、北米・東南アジア等を訪れる。
1997年に福井県窯業指導所に入所。
1998年より森岡成好氏に師事。
2005年香川県東かがわ市に「火の谷窯」築窯。