家主日記

306号室 :「木工作家 日の出製作所」さんのご紹介

2020.06.11お取扱い作家

今回ご紹介するのは、木工作家:日の出製作所の蜷川きよしさんの作品です。

306号室にご入居いただく前のこと、ちょうど「工場のにおい」展を東大阪市にあるご自身の工房で開催しておられて、この懐かしくて新しい木のおもちゃをひたすらにつくる人が、一体どんな人なのか知りたくなって伺いました。それがきっかけでオンアパートメントへのご入居をお願いさせていただきました。

きよしさんから飛び出すお話は、いつもプププッと笑ってしまうおちゃめで面白いことばかり。そんなきよしさんがつくる作品ですから、子供から大人まで心が弾むものばかりです。参加されるイベントも大変好評で、いつもお客様がたくさんブースに集まっていらっしゃいます。

今回は、7点の作品がオンアパートメントに新しく仲間入りです。そのうちの数点のご紹介ときよしさんのものづくりとの向き合い方なんかも少しお話させていただきたいと思います。



石ころ5つセット
いろんなカタチの石ころ風の木。丸く削り出すのは時間を要しますが、きよしさんはこの作品を削る時間が好きだという。精密な組み合わせで作品を作ることが多いから、このようなカタチに正解がない作品は無心になれるからいいのだそうです。



▲石ころ5つセットには、実は素材の表記をしていません。「土産物屋さんで売っているものは、ときどき素材を書いてない。そんな感覚なんです。木の種類に関係なく純粋な木の良さだけを感じてほしい。」とのこと。平らなカタチ、ふっくら厚みがあるカタチ、丸い、長い、いろんな木を感じることができるので、お子様へのプレゼントにおススメしたいあたたかな作品です。



「道の駅」にはとても魅力的なものが置いてあるんだそうです。道の駅には、ご年配の方々の『作ったから見てもらおう』といったかんじの名もなき手作り品がよく置いてあって、きよしさんはそれに魅力を感じておられます。人に買ってもらうためにしっかり考えられたものも素晴らしいけれど、人にどう思ってもらうか考えるよりも自由な提案で作ったものには魅力があるという。また、きよしさんは売る場所も選ばない。ギャラリーや百貨店といった素敵な場所で販売することはすごく嬉しいことだけど、公園でござを敷いて売ることもまた嬉しいこと。どこに置いても作品は同じというのが、きよしさんの作品との向き合い方です。



▲きよしさんにとって、ものをつくるとはクリエイティブな事というより、『製品開発』という意識。だからこそ、作品を発表する場はどこであってもいいという。

「何よりも僕自身がワクワクするようなものを作りたい」と話してくれたきよしさん、とても真っすぐで素敵だと思いました。何処にいても何にも染まらず日の出製作所らしくいられる作品。そんなきよしさんの生み出すものをこれからもオンアパートメントでもっともっと皆さんにご紹介できれば幸いです。

今も面白いセットを考案中だと先日こっそり教えてくれました。ワクワク。楽しみですね☆☆☆